【受付終了】トーク|『ゴールデンカムイ』が描く生きる力としての「食」

日本のマンガの特色に、「食」をめぐるジャンルや表現の豊かさがあります。そして『ゴールデンカムイ』の大きな魅力のひとつにも、アイヌの人びとの暮らしを背景にした繊細で緻密な「食」の描写があげられます。狩猟から料理、食事と、そこに一貫して描かれているのは「人間は他者の命によって生かされている」というアイヌの生命観です。『ゴールデンカムイ』3巻24話に印象的なシーンがあります。そこでアイヌの少女アシㇼパは主人公の杉元にこう語ります。「鹿は死んで杉元を暖めた。鹿の体温がお前に移ってお前を生かす。私達や動物たちが肉を食べ、残りは木や草や大地の生命に置き換わる。鹿が生き抜いた価値は消えたりしない」。本企画では、ゲストにアイヌ文化の研究者であり、『ゴールデンカムイ』のアイヌ語監修を務められている中川裕氏をお招きして、食文化の表現から本展のテーマである「生命(いのち)とつながり」についてじっくり語っていただきます。

日時

1月16日(日)13:30〜15:00 ※開場13:00

場所

ミニシアター蛸蔵(高知県高知市南金田28)

※このイベントの予約受付は終了しました。

中川 裕

1955年神奈川県生まれ。

千葉大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科言語学博士課程中退。

1995年、『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館)を中心としたアイヌ語・アイヌ文化の研究により、金田一京助博士記念賞を受賞。

野田サトル氏による漫画「ゴールデンカムイ」では連載開始時からアイヌ語監修を務める。

著書は『アイヌ文化で読み解く「ゴールデンカムイ」』(集英社新書)、『アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー)、『語り合うことばの力』(岩波書店)など多数。

©︎ Satoru Noda / Shueisha

ゴールデンカムイ

野⽥ サトル

[マンガ|日本]
第24回 マンガ部門 ソーシャル・インパクト賞

明治末期、アイヌ人が隠したという金塊をめぐり、北海道、樺太、ロシアで、さまざまな男たちが暗躍するサバイバルバトル。日露戦争の死線を潜り抜けた「不死身の杉元」の異名を持つ退役軍人・杉元は、幼馴染の目を治療するために金塊を探す過程でアイヌの少女アシㇼパと出会う。彼女の父こそ金塊の在処を知る人物であり、謎を解き金塊を探す2人の旅が始まる。同時に鶴見中尉率いる第七師団や、戊辰戦争で死んだはずの土方歳三らも金塊を狙い動き出していた。著者の曽祖父が屯田兵として日露戦争に出兵し、203高地で戦ったという話から着想されたという。歴史冒険譚にとどまらず、雄大な北の地の自然やそこでの処世術から、アイヌの文化や風習、各地の郷土料理などが、杉元とアシㇼパの心の通い合いとともに細やかに描かれ、物語に厚みをもたらしている。登場人物は個性的に造形され、テンポのよいギャグとともにエンターテインメント性も高い。