マンガライブラリー

文化庁メディア芸術祭受賞したマンガ作品の中から、「食べる」「踊る」「植物」をキーワードにセレクトしたライブラリーです。

食べる
©︎ Satoru Noda / Shueisha

ゴールデンカムイ

野⽥ サトル

[マンガ|日本]
第24回 マンガ部門 ソーシャル・インパクト賞

明治末期、アイヌ人が隠したという金塊をめぐり、北海道、樺太、ロシアで、さまざまな男たちが暗躍するサバイバルバトル。日露戦争の死線を潜り抜けた「不死身の杉元」の異名を持つ退役軍人・杉元は、幼馴染の目を治療するために金塊を探す過程でアイヌの少女アシㇼパと出会う。彼女の父こそ金塊の在処を知る人物であり、謎を解き金塊を探す2人の旅が始まる。同時に鶴見中尉率いる第七師団や、戊辰戦争で死んだはずの土方歳三らも金塊を狙い動き出していた。著者の曽祖父が屯田兵として日露戦争に出兵し、203高地で戦ったという話から着想されたという。歴史冒険譚にとどまらず、雄大な北の地の自然やそこでの処世術から、アイヌの文化や風習、各地の郷土料理などが、杉元とアシㇼパの心の通い合いとともに細やかに描かれ、物語に厚みをもたらしている。登場人物は個性的に造形され、テンポのよいギャグとともにエンターテインメント性も高い。

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食べる
©よしながふみ/講談社

きのう何食べた?

よしなが ふみ

[ストーリーマンガ|日本]
第13回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

これは、都内某所の2LDKに男2人暮らしをする、筧史朗(弁護士)と矢吹賢二 (美容師)の「食ライフ」をめぐる物語。ちなみに1ヵ月の食費は2万5千円なり。

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食べる
© tsuge tadao/GOT

昭和まぼろし 忘れがたきヤツたち

つげ 忠男

[マンガ|日本]
第24回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

敗戦直後の東京を舞台に、これまでの価値観が粉砕された焼け野原でたくましく生きる人々の姿を、当時の風俗描写とともに力強い筆致で伝える。登場するのは、復員兵、ヤクザ、闇商人、喧嘩屋、夜の女、アウトローたち。人々の泥臭くも活力あふれる生きざまを見つめながら、一人の少年が成長していく。戦後の混乱期を生きた、劇画作家である作者の集大成である自伝的長編作品。

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食べる
© Nekomaki/ms-work2021

トラとミケ

ねこまき(ミューズワーク)

[マンガ|日本]
第24回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

擬人化された猫たちの人生模様をやわらかなタッチとやさしい色合いの水彩で描いたフルカラー作品。どて屋を切り盛りする姉のトラと妹のミケの老姉妹は、美味しい料理と酒で、日々店を訪れる常連をもてなす。料理や四季折々の風景とともに、登場する猫たちそれぞれの気持ちの通じ合いの描写によって、何気ない日常の価値が表現されている。

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食べる
©2016 Misato Konari (Akitashoten)

凪のお暇

コナリミサト

[マンガ|日本]
第22回 マンガ部門 優秀賞

人に嫌われないように周囲の空気を読んで生きてきた28歳のOL、大島凪。同僚の前でも、交際している我聞慎二の前でも、本音は口に出さずに我慢を続けてきた。唯一の趣味である節約に喜びを見出しながら暮らす凪だが、ある日自分について、同僚が陰口を叩いていること、慎二が仲間たちに「貧乏くさい女は無理」と言っていることを知る。ショックで過呼吸を起こした凪は会社を辞め、持ち物を整理し、くせっ毛を隠すためのストレートパーマも止め、郊外の小さな部屋で「お暇」生活を始める。テンポの良いセリフ回しとすっきりとした画風のコメディでありながら、「空気を読む」という現代の日本社会に生きる多くの人が経験する行為を題材に、人との関わりのなかで擦り切れたり歪んだりする心理も鋭く描いた。

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食べる
©深巳琳子/小学館 ビッグコミックオリジナル

沈夫人の料理人

深巳 琳子

[ストーリーマンガ|日本]
第8回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

食べる
© 西村ミツル・かわすみひろし / 講談社

大使閣下の料理人

西村 ミツル(原作) / かわすみ ひろし

[単行本・雑誌|日本]
第6回 マンガ部門 優秀賞

食べる
©黒田 硫黄-講談社

茄子

黒田 硫黄

[マンガ|日本]
第6回 マンガ部門 審査委員会推薦作品推薦作品

食べる
©諫山 創 / 講談社 

進撃の巨人

諫山 創

[ストーリーマンガ|日本]
第15回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

「別冊少年マガジン」での連載開始以来、大きな話題を集めている作品。巨人がすべてを支配する世界で彼らの餌と化した人類は、居住区を囲って巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに巨人の侵略を防いでいた。だが、壁を越える大巨人の出現により絶望的な戦いが始まり、両親を失った若き主人公たちは、自由を手に入れるために訓練兵団として巨人に立ち向かうことになる。不気味な巨人との手に汗を握る死闘は、圧倒的な緊張感と迫力を読者に突き付ける。

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食べる
© 西原理恵子

毎日かあさん カニ母編

西原 理恵子

[ストーリーマンガ|日本]
第8回 マンガ部門 優秀賞

踊る
© coffee/kodansha

ワンダンス

珈琲

[マンガ|日本]
第24回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

吃音症で内気な男子高校生・小谷花木は、ダンスを愛する女子・湾田光莉と出会ったことでダンスに目覚め、一凛高校ダンス部に入部する。ダンスに対して苦手意識があった小谷も、湾田や部活の仲間たちとの指導や交流を経て、次第にその才能を開花させていく。作者自身のダンス経験を生かしたリアルなダンス描写で、高校ダンス部の青春を描く。

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踊る
© George Asakura / SHOGAKUKAN INC.

ダンス・ダンス・ダンスール

ジョージ朝倉

[マンガ|日本]
第23回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

女性誌で活躍する作者が青年誌で連載するバレエマンガ。中学2年生の村尾潤平は、母親がバレエスタジオを営む転校生・五代都の誘いで、幼い頃に一度諦めたバレエを基礎から学びなおすことに。少しずつ才能が開花していく潤平を中心に、都のいとこであり確かな実力を持つ森流鶯など、バレエに身を捧げる少年少女の物語がエネルギッシュに描かれる。

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植物
©2012 Kanako Nanamaki (Akitashoten)

イーフィの植物図鑑

奈々巻 かなこ

[単行本・雑誌|日本]
第21回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

17世紀ヨーロッパの架空の国が舞台。プランツハンターの少女、イーフィの父アリオは、謎の植物「妖精の草」の力で蘇った死者だった。最愛の父は植物か、人間か。答えを探す旅のなかで、イーフィはさまざまな境遇の人々に出会う。植物の生態を織り込みながら、登場人物の生い立ちや、国同士の対立が描かれ、ストーリー性豊かな作品になっている。

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植物
©Shinya Komatsu 2015 / Shinchosha

つるまき町夏時間

コマツ シンヤ

[マンガ|日本]
第19回 マンガ部門 審査委員会推薦作品

少年のひと夏の成長をあたたかなタッチで描く冒険ファンタジー。夏休みに近所を探検していた小学生のみつるは、洞窟のなかで植物に覆われた庭を発見する。そこで見つけた不思議な花を持ち帰った途端、彼の暮らすつるまき町ではおかしなできごとが起こるようになり、ついには町全体が植物に埋め尽くされてしまう。

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©︎ Shimada Toranosuke/kodansha

ロボ・サピエンス前史

島田 虎之介

[マンガ|日本]
第23回 マンガ部門 大賞

ロボットと人間が共存する時代を舞台に、ロボットたちのさまざまなあり方を、シンプルな線描と記号的な背景、詩的な余白によって描くオムニバス作品。最初のエピソードは、とある富豪の依頼で、かつて富豪の恋人だったロボットを探すサルベージ屋の物語。調査を進めるうちに、そこに秘められた人間の愛情とエゴが明らかになる。超長期耐用型ロボット「時間航行士(タイムノート)」たちの物語では、彼らは放射性廃棄物を無害化するための施設の管理や、地球型惑星探査といった人間には不可能な長期スパンのミッションを与えられ、従事する。しかし、彼らを生みだした人間の博士からは秘密裏に第二のミッションを与えられていた。人間の妻の遺言により、人間の依頼に応える「自由ロボット(フリードロイド)」となったロボット・伊藤サチオの物語では、誰の所有物でもないサチオが、人間の要請に応え続けていくなかで、人や自然と触れ合うさまが描写される。収録されたそれぞれの物語は次第に繋がりを持ち始め、人間から与えられた命令を忠実にこなそうとするロボットたちのあり方を通して、ロボ・サピエンス時代の到来を前にした人間とロボットの取り結ぶ複雑な関係を浮かび上がらせることになる。

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©︎ Sumako Kari

あした死ぬには、

雁 須磨子

[マンガ|日本]
第23回 マンガ部門 優秀賞

40代を迎えた女性たちが、仕事、人間関係、そして心身の変化について向き合う物語。42歳独身、映画宣伝会社に勤め、ハードワークをこなす本奈多子。発汗や苛立ちなどが続き、更年期障害を疑い始めた多子は、ある夜、激しい動悸と体の冷たさに危機感を覚え、救急車を呼ぶことに。もう若くないという事実を嚙みしめると同時に、これからの人生をどう生きるべきか、多子は考え始める。一方、多子の中学時代の同級生・小宮塔子は、大学生となる娘もいる専業主婦。夫の上海転勤を機に始めたパートで、客からの「おばさん」という呼びかけにショックを受けるが、同時に同じ職場の20歳の青年を意識し始め、相談相手を求めて久々に多子に連絡を取ることになる。そんな折、多子は、仕事関係の知人の有岡から、ガンで余命宣告をされたことを打ち明けられる。人生の折り返し地点とも言うべき40代を生きる人々の感情を、細やかなディテール描写と詩情豊かな独白とともに描く。

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©Goda Yoshiie / SHOGAKUKAN

機械仕掛けの愛

業田 良家

[マンガ|日本]
第19回 マンガ部門 優秀賞員会推薦作品

“心”に似た機能を持つロボットたちが、近未来の地球各地で織りなすさまざまな寓話からなるオムニバス集。持ち主に飽きられたロボットの女の子が、愛された記憶を頼りに“お母さん”を捜す「ペットロボ」、人間の遺言で自由を手に入れた介護ロボの苦悩を描く「介護ロボ広沢さん」、思い出を託された執事ロボが、主人との約束を果たすために選んだ道を追う「リックの思い出」など、人間のために働くロボットたちを軸に、物語は展開される。街にたたずむ自販機ロボ、本を愛する刑事ロボなど、プログラムされた機能を果たしているだけの彼らは、その純粋な“機能”をもって、人間たちに語りかける。これまで「人生に意味はあるか」「人間の想いは永遠であるか」などのテーマを描いてきた作者が、ロボットの営みを通して「人間とは何か」「“心”とは何か」を表現した作品である。『ビッグコミック増刊号』(小学館)連載開始:2010年10月17日号─

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©石塚 真一

岳 みんなの山

石塚 真一

[マンガ|日本]
第16回 マンガ部門 優秀賞

山岳救助ボランティアを務める「島崎三歩」は、世界の山を登り、山の厳しさ、山の楽しさ、山の美しさを知る男。彼の住む北アルプスでは、たくさんの登山者が、山頂を目指し登山道に入る。「良く頑張った」「また山においでよ」。彼の言葉に登山者たちは元気をもらい、日常に帰っていく。そして山を愛する気持ちを新たにして、また山にやってくる。訪れる山に魅せられた人々とともに、三歩は大好きな山の暮らしを続ける。山を愛する人を、山で死なせないために、今日も三歩はアルプスの稜線を走り続けている─。この物語は最高の山男を描いた優れた山岳漫画として多くの読者を惹きつけた。(ビッグコミックオリジナル』連載開始:2003年9月20日発売号〜連載終了:2012年6月5日発売号)

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